自然、昭和レトロ、そして心のデトックス。
朝9時。愛車GB350で出発。まずは下道で大泉ジャンクションへ向かい、関越自動車道へ入る。 途中、関越自動車道 高坂サービスエリア(下り)で小休止。ウルトラマンの巨大モニュメントを見つけ、子どもの頃の感覚を少し思い出した。
この日は風が強く、高速道路ではGB350の軽さと350cc単気筒らしい余力の少なさも感じた。 特に横風では車体が揺らされ、「速く走る」より「景色を味わいながらゆっくり行く」バイクなのだと改めて実感した。
それでも、風を受けながら走る感覚は車では味わえない。 空気の匂い、気温の変化、山へ近づいていく感覚。 バイク旅は移動そのものが目的になる。
花園インターチェンジを降り、有料道路を抜けながら秩父方面へ。 12時10分頃、「道の駅 果樹公園あしがくぼ」に到着した。
秩父の玄関口とも言える場所で、休日ということもあり、多くのバイクが並んでいた。 知らないライダー同士でも、なんとなく同じ空気感がある。
ここで食べたのが、秩父名物の味噌ポテトと舞茸天そば。 甘めの味噌ダレとホクホクのじゃがいもが驚くほど合う。 舞茸天は香りが強く、山の土地らしい味だった。
都会では「効率よく食べる」ことが増えるが、こういう場所ではゆっくり食べるだけで妙に満たされる。
その後は長瀞渓谷へ移動し、有名な長瀞岩畳を散策。 岩畳は数千万年前の地層が隆起し、荒川の流れによって削られて形成された天然の地形だという。
巨大な岩の上を歩いていると、人間より遥か昔から存在していた地球の時間を感じる。 自然のスケールの前では、日常の細かい悩みが少し小さく思えた。
秩父方面のワインディングでは、体重移動の重要性も改めて感じた。 視線を先へ送り、車体と自分の重心を自然に合わせる。 それだけでGB350は素直に曲がってくれる。 バイクに乗るというより、バイクと一緒に流れていく感覚だった。
長瀞駅周辺を歩いていると、まるでジブリ映画の中に出てきそうな小さな店を発見。 観光地の喧騒から少し離れた場所で、時間だけがゆっくり流れているようだった。
さらに、きゅうりと茗荷の串、ラムネ、鮎の塩焼きも堪能。 特に鮎は香ばしく、炭火の香りまで含めて「夏」を食べている感覚だった。 食べ歩きこそ、旅の醍醐味かもしれない。
その後は秩父神社へ参拝。 秩父神社は秩父地方の総鎮守として知られ、長い歴史を持つ神社だ。 鮮やかな彫刻や重厚な社殿には独特の存在感がある。
続いて秩父今宮神社にも参拝。 こちらは水や龍神信仰との関わりが深く、秩父神社とはまた違った静けさがあった。
御朱印をいただき、今回の旅の記憶を形として持ち帰る。 写真とはまた違う、「その場所へ行った証」が残るのが良い。
15時30分頃、西武秩父駅前温泉 祭の湯へ到着。 1時間ほど温泉に入り、歩き疲れた身体をゆっくり休めた。
その後は土産コーナーを散策。 秩父らしい土産が並び、観光地としての温かさを感じる空間だった。
最後にピスタチオソフトを食べて今回の旅は終了。 風呂上がりの甘いものは、なぜこんなにも美味いのか。
今回の秩父・長瀞ツーリングは、ただ観光地を巡るだけではなく、 自然、昭和レトロ、人の温かさに触れる「心のデトックス」のような旅だった。
現代は通知や情報に追われ続ける時代だが、川や山は何も要求してこない。 ただ静かに存在している。 だからこそ、人は自然を見ると少し回復するのかもしれない。
GB350は速いバイクではない。 だが、景色を味わい、土地を感じながら走るには最高の相棒だった。
次回は茨城・筑波方面へ。 筑波山周辺のワインディングと景色を楽しみながら、また新しい「ゆっくり走る旅」をしてみたい。