
湾岸道路、巨大タンカー、城ヶ島大橋、馬の背洞門、生しらす丼。短いながらも、海の濃さがしっかり残る一日だった。
朝9時にGB350で出発。目的地は神奈川県三浦市の城ヶ島。行きは下道を多めに使い、途中から有料道路へ。帰りは横須賀の温泉に寄って、高速道路で帰宅した。
朝9時、GB350で城ヶ島へ向かった。まずは国道357号、湾岸道路を流す。倉庫街、港湾道路、トラックの流れ。観光地の海沿いとは違う、働く海の空気がある。
特に印象に残ったのは、港湾に停泊している巨大なタンカーを、高所の橋から見下ろした瞬間だった。普段は近くで見ることのない大きさの船が、海の上に静かに浮かんでいる。湾岸道路には、あの無骨な爽快さがある。
派手な絶景ではない。だが、港湾の上を走る道には、ツーリングの始まりとしてちょうどいい高揚感があった。
横浜方面を抜け、横須賀方面へ。途中から横浜横須賀道路に入り、衣笠ICを通って三浦縦貫道路、国道134号、引橋、県道26号あたりをつないで城ヶ島方面へ向かう。細かい道順よりも、街の密度が少しずつ薄くなり、海の気配が強くなっていく感じが良かった。
三浦市に入ると、景色は港町らしくなってきた。店の看板、細い道、海へ向かう車の流れ。城ヶ島大橋は、三浦半島と城ヶ島を結ぶ全長575メートルの橋で、完成は1960年4月。満潮時の海面からの高さは約21メートルある。
ただ島へ渡るための橋というより、港町の上をまたいで海へ飛び出していくような存在感がある。GB350で実際に渡ると、数字以上に長く感じる。12時ごろ城ヶ島に到着し、島の入口にある城ヶ島公園の第二駐車場へ。ヘルメットを脱ぐと、潮の匂いが一気に強くなった。

城ヶ島公園は最後に回すことにして、まずは北側沿岸を西へ歩く。住宅街を抜けると、景色は一気に漁港らしくなる。漁船、工場、作業場。観光客向けに整えられた景色というより、今も実際に動いている港の景色だ。
このあたりを歩くと、城ヶ島が単なる観光地ではなく、生活と漁業の島でもあることが分かる。海鳥の声、港の匂い、少し古い建物。バイクを降りて歩いたからこそ見えるものがある。


道中で印象に残ったのが、建物のあちこちに貼られた小泉進次郎氏のポスターだった。横須賀・三浦の地元政治家としての存在感は知っていたが、実際に歩いてみると、生活圏の中に溶け込んでいることが分かる。
北側の道を進んでいくと、駐在所もあった。四角い柱のような建物の上に、見晴らし台のようなものが乗っている。地方に来ると、交番や駐在所にも一工夫ある。こういう小さな違和感が、旅先の記憶に残る。


島の西側に出ると、雰囲気は一気に観光地になる。飲食店、お土産屋、ダイビングスポット。そろそろ昼飯にしようと思ったが、店先には行列ができていた。ここで無理に並ぶより、先に島の観光を進めることにした。

西側から南側に抜けると、景色はまったく違う。太平洋に面した荒々しい岩場と崖。波の侵食でできた地形、平らな岩場、削られた崖、地層の筋。観光地というより、自然がむき出しになっている場所だった。


南側の岩場を歩いている途中、面白い朽木を見つけた。海風にさらされ、時間をかけて削られたような木だった。ただ、見る角度によっては熊のようにも見える。こういう小さな発見があると、散策は急に面白くなる。
さらに歩いていると、海藻を干しているおじいさんを見かけた。何を干しているのか聞くと、返ってきた答えは「天草」。これが最終的にはところてんになるという。普段は完成した食べ物としてしか見ていないものが、海辺で干され、手間をかけて食べ物になっていく。
城ヶ島の南側は、ただ景色がいいだけではない。土地の暮らしが、岩場のそばにそのまま残っている。


南側の海岸を進むと、城ヶ島の代表的な景勝地である馬の背洞門に着く。長い年月をかけて波が岩を削り、岩に穴が開いた海食洞穴だ。
岩場の中にぽっかりと開いた穴。その向こうに見える海。写真で見るより存在感があり、城ヶ島の荒々しさがそのまま形になっているようだった。

馬の背洞門を見たあとは、海岸沿いから丘へ登る。丘の上へ入ると空気が変わる。高い木々に囲まれた、洞窟のような道。頭上を覆う枝葉、少し暗くなった足元。まさにトトロの世界をほうふつとさせる場所だった。


丘の上の道を進むと、ところどころで視界が開ける。そこから見下ろす太平洋が、また最高だった。波が岩にぶつかり、白く崩れていく。海岸から見る海もいいが、高台から見下ろす太平洋には別の迫力がある。

丘から商店街へ戻るころには、腹はかなり減っていた。三崎といえばまぐろ。ただ、この日は生しらすを食べたい気分だった。昼時のピークは過ぎていたはずだが、「魚のかねあ」の前にはまだ7、8人ほど並んでいた。
注文したのは、生しらすとネギトロの丼。値段は2,200円。生しらすのさっぱりした味と、ネギトロの濃い旨みがちょうどいい。理由はよく分からないが、口に入れた瞬間に、これは現地で食べるべきものだと思った。
やはり、生しらすは現地で食うべきだ。

腹ごしらえを終え、駐車場へ戻る途中でソフトクリームも食べた。何気ない店で、店員は地元のおじいさん。正直そこまで期待していなかったが、味が濃くてかなりうまい。観光地で食べるソフトクリームは、なぜこうもうまいのか。
再びGB350にまたがり、最後に城ヶ島公園へ行くつもりで坂を登った。だが、途中で車の列が見えた。時刻は午後3時ごろ。無理に公園へ入るのはやめ、一旦バイクを停めて入口だけ見て戻ることにした。
少し残念ではある。だが、旅にはこういう判断も必要だ。城ヶ島公園は、次に来たときの楽しみに残しておけばいい。

帰りはそのまま一気に帰るのではなく、横須賀の温泉に寄った。歩いた足を休め、海風に当たった体を温める。ツーリングの最後に温泉を入れると、旅の満足度が一段上がる。
温泉でひと息ついたあとは、高速道路を使って帰宅。往路は下道多めで約3時間。復路は高速道路で約1時間30分。やはり高速道路は便利だ。行きは景色を楽しみ、帰りは体力と時間を優先する。この使い分けが、日帰りツーリングではちょうどいい。
今回は短い旅だった。だが、湾岸道路の爽快感、巨大なタンカー、城ヶ島大橋、漁港の道、馬の背洞門、丘の上から見下ろす太平洋、生しらすの丼、そして帰りの温泉。短いながらも、かなり濃い一日だった。
GB350で行く城ヶ島ツーリング。派手な遠出ではないが、満足度はかなり高い。日帰りで海を見に行くなら、城ヶ島はかなりいい選択肢だと思う。
近場でも、海があって、歩けて、うまいものがあって、最後に風呂があれば旅になる。
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